お問い合わせ

森下 義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

お問い合わせ

熱可塑性エラストマーとは?

著者 , 2021-03-05

熱可塑性エラストマー(ThermoPlastic Elastomer, TPE)は、設計や製造上の自由度が高く、汎用性の高い熱可塑性樹脂の ひとつです。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性プラスチックの加工上の利点と、エラストマーの性能特性を兼ね備えています。そのため、押出成形や射出成形などの熱可塑性プラスチックに用いられる方法で比較的容易に加工することができます。時間のかかるゴムの加工方法、特に加硫は必要ありません。

分子構造の特性により、熱可塑性エラストマーは高い弾性を示します。すべての熱可塑性エラストマーは、拘束相と非拘束相で構成されています。拘束相となる結晶性ポリマーと、非拘束相となる柔軟な非晶性ポリマーの組み合わせがある構造や、ひとつのポリマー鎖に拘束相ブロック(ハードブロック)と非晶性ブロック(ソフトブロック)を持つブロック共重合体が例として挙げられます。

ハードブロックは、熱可塑性エラストマーやそのコンパウンドにおいて、最終製品の熱可塑性 を担うもので、易加工性や耐熱・耐寒性、耐薬品性などの材料特性を有します。接着性もこれらの特性により左右されます。ソフトブロックはゴム弾性を担い、硬度や柔軟性などの材料特性を左右します。引き裂き強度や引張強度、永久変形の程度 は、ハードブロック、ソフトブロックのどちらからも影響を受けます。

熱可塑性エラストマー ペレット
熱可塑性エラストマーのモルフォロジーの模式図

熱可塑性エラストマーの定義

熱硬化性プラスチック、熱可塑性プラスチック、エラストマーは市場で一般的に使用される樹脂です。それぞれの樹脂の特長は以下の通りです。

熱硬化性樹脂:熱硬化性樹脂の代表的な例としてウレタン系とエポキシ系があります。耐溶剤性、耐熱性、高い強度を有することが、これら材料の特長で、反応性のオリゴマーや樹脂が、熱と圧力の下で架橋剤と反応して形成される架橋ネットワークに由来します。

熱可塑性プラスチック:熱可塑性プラスチックは、容易に溶融して成形できる樹脂です。熱を加えると溶け、冷えると固まります。代表的なものには、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィンなどがあります。これらの素材に架橋ネットワークは含まれません。

エラストマー:エラストマーは、弾性的な性質を持つ天然または合成樹脂です。引張変形や圧縮変形した後、弾性的に元の形状に戻ることができます。エラストマーの代表的なものとして、天然ゴムやシリコンゴムが挙げられます。

熱可塑性エラストマー(TPE):熱可塑性エラストマーは、熱可塑性プラスチックとエラストマーの特性を併せ持つ素材です。プラスチックのような加工性と同時に、ゴムのような優れた性能特性を示します。

熱可塑性エラストマーの加工では、従来のゴムの加工に比べて時間と資源を節約できます。

Content

特長

  • 設計の自由度が高い
  • 射出成形や押出成形などの加工が容易
  • 広いプロセスウィンドウ
  • 複数成分を含む加工が可能
  • 生産サイクルの短縮と生産性の向上
  • 完成品におけるコストの低減
  • エネルギー消費量の削減
  • リサイクルが可能
  • 良好な着色性
  • 低透過性
  • 優れた熱特性と材料安定性
  • 幅広い硬さの選択肢:ショアOO、ショアC、ショアA、ショアD
  • 優れた電気絶縁性
  • 幅広い用途に対応

課題

  • 高温環境下での使用に制限がある
  • 成形収縮への配慮が必要
  • 耐溶剤性が低い場合がある
  • 成形時のせん断流動への配慮が必要

熱可塑性エラストマーの種類

SBC / TPE-S / TPS

スチレンブロック共重合体(Styrene Block Copolymers, SBC)は、熱可塑性エラストマー素材の中で汎用性の高い材料です。硬いスチレンのハードブロックと、ブタジエンやイソプレンなどからなる柔軟なミッドブロックで構成され、独自のミクロ相分離構造 を持ちます。一般的に、ミクロ相分離構造 は、ポリ(スチレン-b-ジエン-b-スチレン)構造であり、これは、ブロック共重合によって得られます。

SBCは、樹脂や添加剤、フィラーなど多くの素材との相性が良いため、様々な用途で使用されています。高い弾性、引張強度、耐摩耗性を特長とし、無色透明で、幅広い硬度の製品を生産可能です。広い温度範囲で機能するように、また、適切な粘着性や衝撃吸収性を有するように設計することができます。

熱可塑性エラストマーの特性は、ブロック構造によって異なり、分子構造の調整によって特性を変化させられます。

SBCの主な種類は以下の通りです。

  • SEP: スチレン-エチレン-プロピレンブロック共重合体
  • SEPS: スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体
  • SEEPS: スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体
  • S*EEPS*-V: S*-エチレン-エチレン-プロピレン-S*ブロック共重合体(S*: 架橋性ハードブロック)
  • SBS: スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体
  • SEBS: スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体
  • SIS: スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体

さらに、ビニル結合割合が高い熱可塑性エラストマーがあります。これらをポリプロピレンと配合することで、可塑剤を使用することなく、ポリ塩化ビニルの代替として利用できます。

  • V-SIS: ビニル結合の割合が高いSIS
  • V-SEPS: ビニル結合の割合が高いSEPS
  • V-SEEPS: ビニル結合の割合が高いSEEPS

クラレのスチレン系ブロック共重合体 〈セプトン〉〈ハイブラー〉 は、熱可塑性エラストマーコンパウンド、樹脂改質、粘接着剤、軟質ポリ塩化ビニル代替、制振性付与など、幅広い用途や分野で、使用されています。

熱可塑性エラストマーの分類
SBCには、シンプルなものから高度に専門的なものまで、幅広い用途に適用できます。クラレのSBCには医療用途に適用可能な熱可塑性エラストマーがあります。

TPO / TPE-O

熱可塑性ポリオレフィン(Thermoplastic Polyolefins, TPO)は、未架橋EPDMゴムとポリオレフィンでできています。高い耐薬品性と強度を持ち、低密度であることが特長です。押出成形や射出成形で容易に加工することができます。

製品は軽量に仕上がり、柔軟に使用することができます。自動車のダッシュボードなど、標準的なコポリマーでは対応できない、高いレベルの耐久性や耐摩耗性が必要となる状況で使用されています。

TPU / TPE-U

熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethanes, TPU)は、ジオールまたはポリオールとポリイソシアネートとの重付加反応によって形成される樹脂です。ポリウレタンの特徴は、ウレタン基を持つことです。TPUの特性は広い範囲で変化させることができます。架橋の程度や使用するイソシアネートまたはOH成分によって、エラストマー、熱可塑性プラスチック、ゴムの代替品として使用可能です。

TPUの代表的な特長は、高い伸展性 と引張強度です。また、耐摩耗性、機械的特性に優れ、酸素やオゾンに対しても優秀な耐性を有します。

TPC / TPE-E

ポリエステル系熱可塑性エラストマー(Thermoplastic polyester elastomers, TPC)は、結晶性セグメントと非晶性セグメントを持つ直鎖状のブロック共重合体で、各セグメントは、TPCに弾性を付与し、加工しやすくする役割を果たします。TPCは、その結晶セグメントの剛性により、広い温度範囲で耐衝撃性を発揮します。また、耐熱性、耐薬品性、耐老化性にも優れています。

TPCは、上記の特性に加えて、良好な電気絶縁性を示します。また、耐屈曲疲労性や引裂強度に優れていることから、自動車、工業分野でホース、ケーブル、各種ブーツなどにも使用されています。

COPA / PEBA / TPE-A / TPA

ポリアミドエラストマーは、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドのポリアミドブロック共重合体( Polyamide block copolymers , TPA)をベースにした熱可塑性エラストマーです。その特性は、ポリエーテルとポリアミドのブロックの種類、その数と長さによって変化します。

TPAは、高温や耐油性が求められる用途に使用することができます。また、低温でも一定の柔軟性を持ち、耐摩耗性、耐衝撃性に優れています。また、耐候性や耐薬品性にも優れます。

TPV / TPE-V / EA

動的架橋型熱可塑性エラストマー(Thermoplastic vulcanizates , TPV)は、ポリプロピレンとEPDMゴムのコンパウンドで、動的に加硫されています。この樹脂はゴムのような特性を有し、熱可塑性プラスチックに適用される容易でコスト効率の高い加工方法で加工可能です。

従来の熱硬化性加硫ゴムに代わるかたちで、TPVの使用量が増加しています。高温に強いため、130℃までの高耐熱性が求められる用途での使用が可能です。また、耐薬品性や耐油性にも優れているため、自動車のエンジンルームにもこの素材が活用されています。

〈セプトン〉 V-シリーズを用いた動的架橋コンパウンドは、エンジンルーム内の 熱、圧力、オイルへの耐性を有します。

軟質PVC(TPVC)

ポリ塩化ビニル(PVC)は、広く使われている樹脂です。PVCは、塩化ビニルから連鎖的に重合して作られます。非晶性の熱可塑性プラスチックで、脆くて硬いのが特徴です。可塑剤を添加することで加工が可能となり、床材、断熱材など様々な用途に使用されています。

PVCは軟質PVCと硬質PVCに分けられます。可塑剤はPVCを柔軟にするために製造時に配合され、可塑化されたPVCには高濃度に含まれています。しかし、可塑剤の多用には、軟質PVC製品の耐久性が損なわれたり、リサイクル性が制限されたりするなどの課題があります。また、可塑剤は、PVCから溶出して環境や食品に混入する可能性があるため、健康への影響も懸念されています。

アクリル系エラストマー

アクリルとは、アクリル酸エステルなどのアクリル基を持つ化学物質と、そのポリマーの総称です。アクリル基は化学的な架橋の基礎となるもので、アクリレートの名は、アクリル酸の刺激的な臭いに由来しています。

アクリル系熱可塑性エラストマーの例としては、クラレ独自のリビング重合技術を用いて、様々な(メタ)アクリレートをA-BまたはA-B-Aタイプのブロック共重合体にした、新シリーズのアクリルブロック共重合体 〈クラリティ〉, があります。重合プロセスを制御することで、ラジカル重合で製造される従来のアクリルポリマーと比較して、残存モノマーやオリゴマーを最小限に抑え、非常にクリーンな状態を保つことができます。

〈クラリティ〉は優れた透明性、耐候性、自己粘着性、他の極性材料との良好な相容性など、さまざまな特性を発揮します。トリブロックおよびジブロックのアクリル系エラストマーは、粘接着剤、成形品、イルミネーション部材など、様々な用途向けに成形できます。また、極性材料の相容性向上や改質のための添加剤としても使用可能です。

透明な熱可塑性エラストマーである〈クラリティ〉は、糊残りが少ない粘着剤などの製造に使用可能です。

バイオ由来の熱可塑性エラストマー

バイオ由来の熱可塑性エラストマーとは、ポリマーやモノマーの少なくとも一部が、サトウキビやトウモロコシなどのバイオ由来の 原料から作られた原材料でできている製品を指します。ポリマーの残りの部分は、石油化学由来の炭素で構成されていることもあります。熱可塑性プラスチックであるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)や多糖類など、独自の100%バイオ由来の素材を製造することは容易ではありません。

バイオ由来熱可塑性エラストマー合成のほとんどが、生物学的・生化学的プロセスに基づいています。注意点として、「バイオベース/バイオ由来」という用語は、必ずしも「生分解性」を意味しません。バイオ由来の熱可塑性エラストマーは生分解性である場合もありますが、そうでない場合もあります。

クラレでは、サトウキビを原料とした水素添加スチレンファルネセンブロック共重合体(Hydrogenated Styrene Farnesene Copolymers , HSFC)を使用した、独自のバイオ由来熱可塑性エラストマー〈セプトン〉 BIO-シリーズ,をご用意しています。

靴底に確かなグリップ力を与える〈セプトン〉BIO-シリーズ。

熱可塑性エラストマーの特性

硬度

素材の硬さは、熱可塑性エラストマーの重要な選択基準です。TPEの硬度には、計測基準があり、これはゴム硬度計(デュロメータ 硬度計)を用いて測定されます。具体的には、標準に基づいた圧子に力を加え、素材の抵抗力と圧子の力がバランスした状態での素材への押し込み深さをもとに、硬度を測定します。

ISO 7619-1規格では、それぞれ異なるバネ力と圧子を用いた12種類のデュロメータスケールが認められています。TPE素材の硬さを測るのに最もよく使われるのは、ショアA(鈍角の圧子、中程度のバネ力)とショアD(鋭角の圧子、強いバネ力)の2つです。ショアCはショアAとショアDの中間で、〈セプトン〉J-シリーズ,のような超軟質素材にはショアOOがあります。ただし、他のデュロメータスケールも状況に応じて使用されています。

デュロメータ硬度計

耐熱性

熱可塑性エラストマーの様々な用途で、それぞれの状況に応じた耐熱性が求められます。荷重の加わる時間と作用の仕方、部品の形状なども全て耐熱性の要件に影響します。

高い耐熱性が必要である例として、自動車エンジンルーム内の部品があります。〈セプトン〉 Vシリーズを使用したスチレン系エラストマーコンパウンドのような熱可塑性エラストマーは、ゴムに代わりホースの製造に使用することができ、製造時に発生する端材のリサイクル可能なため廃棄物の削減にもつながります。また、ゴムのように架橋する必要がないため、射出成形技術により、自動車部品の製造サイクルタイムを短縮することができます。

引張特性

熱可塑性エラストマーの引張特性は、様々な試験方法で測定されます。

熱可塑性エラストマーの破断強度を測定する際は、試験片を破断するまで引き伸ばします。破断強度は、規定の試験片を用いた試験で求められ、通常はメガパスカル(MPa)で示されます。破断強度が高いエラストマーは、値が低いエラストマーに比べて、引き伸ばしても簡単には破断しません。

熱可塑性エラストマーには、使用用途によっては引裂強度も求められます。一般的な測定単位は、psi(ポンド/平方インチ)またはkN/m(キロニュートン/メートル)です。

引張弾性率は、試験片が線形弾性挙動で変形するときの応力とひずみの比で示されます。この試験では、複数のひずみ点にわたり、応力を測定します。

もう一つの重要なパラメータが破断伸度です。これは、エラストマーが「破断するまでにどれだけ伸ばせるか」を示すもので、元の長さに対する割合で示されます。柔らかいエラストマーの場合、1,000%を超えることもあります。

引張破断試験

圧縮永久歪み

熱可塑性エラストマー素材の圧縮永久歪みも非常に重要です。圧縮永久歪みとは、熱可塑性エラストマーを圧縮した後、その圧縮荷重を解放したときの変形回復挙動を示す指標です。

圧縮永久歪みは、DIN 53 517、ISO 815またはASTM D 395に従って、一定の変形で測定されます。この測定では、円筒形の試験片を一定の割合で圧縮し、一定の温度で一定時間保管します。「0パーセント」という値は、完全に元の厚さに戻ったことを意味しますが、これは現実には不可能です。「圧縮永久歪み100%」というのは、本体が完全に変形してしまい、回復が見られないことを意味します。

永久変形は、特にエラストマーを用いた封止を行う際に重要な指標です。圧縮永久歪みが小さい素材は、封止に適しています。

圧縮永久歪み試験

収縮率

熱可塑性エラストマー素材で作られた成形品は、冷却時に収縮します。この収縮は通常微小なものですが、成形や取り外しの工程、成形品の外観やその後の正確なフィット感に影響を与えます。特に不均一な収縮は問題となります。したがって収縮には特に注意が必要であり、金型の設計やプロセスフローにおいて考慮しなければなりません。樹脂の種類によってそれぞれのエラストマー特性と収縮特性が異なるので、加工を行う際には、熱可塑性エラストマーメーカーからその素材や原材料に関する情報を獲得するのが得策です。

安全性

熱可塑性エラストマーは、厳しい試験を経て、多くの安全規格や規制に準拠しなければなりません。具体的な要件は、素材の用途によって異なります。

特に安全性の高い熱可塑性エラストマーの例として、クラレのエラストマーのうち一部の銘柄は、食品との接触や医療用途で使用することができます。クラレの熱可塑性エラストマーの一部は、食品接触に関するFDAの要件およびEU No.10/2011に準拠しています。

医療用グレードの熱可塑性エラストマーを使用した製品は、様々な工程での滅菌が可能であり、抽出されてくる物質の含有量も非常に少なく抑えられます。クラレのTPEのうち医療用グレードは、生物学的試験である、ISO10993-4(溶血性試験)、-5(細胞毒性の試験)、-10(皮膚感作性試験)、-11(全身毒性試験)を含むISO10933に適合しています。また、医療用グレードは、USPクラス〈87〉(In-Vitro Biological Reactivity – Cytotoxicity Testing)およびUSPクラス〈88〉(In-Vivo Biological Reactivity – Class I-VI Testing)の要件を満たしています。

その他の特性

素材の選択は、用途に応じて熱可塑性エラストマーのその他の特性を考慮する必要があります。例えば、耐薬品性、UV安定性、電気特性などです。

熱可塑性エラストマーの加工

射出成形

熱可塑性エラストマー素材の加工において、射出成形は重要な技術です。射出成形は生産性が高く、残留物 の少なさが特長です。

射出成形では、溶融した樹脂を金型に注入し、金型の形状に賦形して製品を作成します。 二色成形やインサート成形も可能です。射出成形は主に、大量かつ高精度での生産が求められる工具や部品などの製造に用いられます。

射出成形

押出成形

押出成形は、熱可塑性エラストマーから、チューブなどの特定の形状を製造する最も一般的な手法の1つです。連続的な工程であり、個別に設計された断面を持つダイに材料を流すことで、成形を行います。

押出成形では、熱可塑性エラストマーペレットが押出機のホッパーに投入され、加熱されたバレル内で回転するスクリューを用いて加熱・溶融されます。スクリューは溶融した樹脂をダイに送り、同じ形状を連続的に生み出し、その後冷却されます。射出成形とは異なり、押出成形では通常、半製品または中間製品が得られ、これらをさらに加工する必要があります。この手法では、非常に複雑な断面を、優れた表面仕上げと高い設計自由度で製造することができます。

押出成形

押出ブロー成形

もう一つの重要な手法が、空気を用いた熱可塑性エラストマーの押出成形です。この方法では、溶融した樹脂を金型やダイの中に押し出し、その後、金型や工具に空気を吹き込み、最終的な形状を作ります。

主流なのは単軸押出機です。押出ブロー成形は、ボトルや容器などの複雑な中空部品に使用されます。

押出ブロー成形

その他の加工方法

熱可塑性エラストマーの加工には、上述の射出成形、押出成形、押出ブロー成形のほかにも様々な加工方法が用いられています。例えば、二色成形加工、 溶融カレンダー加工、熱成形、熱溶着、圧縮成形などがあります。

3Dプリンティング

熱可塑性エラストマー素材のもう一つの活用分野は3Dプリンティングです。この手法では、柔軟性のある熱可塑性エラストマーフィラメントを使用して、スマートフォンカバーなど、柔軟性やカスタマイズ性のある部品を製造できます。熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、3Dプリントによく使われる素材です。一方で、PLAやABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)を特殊な用途に使用する場合には、添加剤としてクラレの熱可塑性エラストマーも利用可能です。

熱可塑性エラストマーは、高度な3Dプリンティングに利用可能です。

用途

熱可塑性エラストマーは、柔軟性が必要とされる用途に適しています。従来の熱硬化性ゴムや熱可塑性プラスチックと比較して、コスト、品質、安全性の面で優れる場合があり、また毒性の懸念もありません。その多彩な機械的特性とさまざまな加工技術により、熱可塑性エラストマーは広い応用範囲を誇ります。

粘接着剤、コーティング剤、シーリング材

Compounding

コンパウンド

日用品

Electronics

電子機器

建築材料

Medical

医療

Mobility

自動車

Oil Modification

オイル改質

パーソナルケア&衛生

Sporting Goods & Footwear

スポーツ用品と靴

3D Printing

3Dプリンティング

規制

食品医薬品局(FDA)

食品医薬品局(FDA)は、米国内で生産される食品や、米国に輸入される食品に厳しい要件を課しています。食品業界では、食品と接触する多種多様な樹脂が使用されています。これらの樹脂は、FDAの定める条件に適合していなければなりません。

米国薬局方(USP)

USPは米国薬局方で、医薬品や医療機器を含む医療技術の規格を規定しています。 USP 88には、エラストマー、プラスチック、およびその他の高分子材料の生体適合性評価方法が定められています。最終用途、暴露される組織の種類および時間に応じて、高分子材料はクラスI-VIに分類されます。 クラスVIは、6つのクラスすべての中で最も厳しい試験が要求されます。

EU規則/指令

様々なEUの規制や指令が樹脂に関わる要件を規定しており、例えば、使い捨ての樹脂製品に関する指令(EU)2019/904があります。

また医療機器に関しては、EU指令2017/745が医療機器サプライヤーやメーカーが守るべき要件を規定しています。この指令では、患者の治療に医療機器を使用する際に、安全性、品質、透明性を確保するための医療機器に関する特定の要件を規定しています。

ISO 10993

ISO 10993は、医療機器の生物学的評価に関する一連のISO規格であり、医療機器の総合的な評価・開発において広く用いられています。 最終製品だけでなく、医療グレードの熱可塑性エラストマーを含む最終製品の構成材料がこの規格で評価されています。

ASTM試験

ASTM Internationalは、米国に本拠を置く国際標準化機構であり、商品やサービスに関する技術標準を公開しています。ASTM規格の使用は、米国の公的資金が投入されている部門を除き任意ですが、それにもかかわらず、多くのメーカーが熱可塑性エラストマーやその他の製品をASTM試験にかけています。これは、製品同士を比較可能にし、顧客が製品をよりよく理解できるようにするという目的があります。

クラレの熱可塑性エラストマー

〈セプトン〉

〈セプトン〉は、クラレが開発したスチレン系熱可塑性エラストマーシリーズです。水添スチレン系ブロック共重合体(Hydrogenated Styrenic Block Copolymers , HSBC)は、スチレン系のハードブロックと水添ジエン系のソフトブロックで構成されています。HSBCは、ポリスチレンのハードブロックがガラス転移温度以下では物理的架橋点として機能し、柔軟なポリオレフィン構造をもつソフトブロックが弾性を発揮するため、ゴムのような弾性を示します。また、〈セプトン〉のようなソフトブロックが水添されたものは、未水添であるスチレン系熱可塑性エラストマーと比べ、耐熱性・耐候性が優れます。

〈セプトン〉

〈セプトン〉 BIO-シリーズ

クラレは独自の水添スチレンファルネセン共重合体(Hydrogenated Styrene Farnesene block Copolymer , HSFC)である〈セプトン〉 BIO-シリーズを提供しています。これにより、クラレは世界で初めてバイオ由来HSBC素材メーカーとなりました。 熱可塑性エラストマー〈セプトン〉 BIO-シリーズは、バイオ由来成分を多く含む新しいコンパウンドや最終製品の製造を可能にする、今までに無い選択肢です。既存の市場を拡大しながら、新しい市場の開拓に貢献します。

〈セプトン〉 BIO-シリーズは、従来のSBCに比べて温室効果ガスの排出量が少ないことが特長です。

〈ハイブラー〉

〈ハイブラー〉は、ポリスチレンのハードブロックと、ビニル-ポリジエンのソフトブロックからなる、クラレ独自のブロック共重合体 です。室温領域にガラス転移温度を有するため、〈ハイブラー〉は高い振動減衰性と衝撃吸収性を発揮します。 〈ハイブラー〉には、耐久性に優れる水添グレードと未水添グレードをご用意しております。

〈ハイブラー〉

〈クラリティ〉

〈クラリティ〉は、クラレ独自のリビングアニオン重合技術を用いて、様々な(メタ)アクリレートをA-BまたはA-B-Aタイプのブロック共重合体にした、新しいアクリル系ブロック共重合体シリーズです。熱可塑性エラストマー〈クラリティ〉は、優れた透明性、耐候性、自己接着性、他の極性材料との良好な相溶性など、さまざまな特性を持ちます。

〈クラリティ〉

お問い合わせ

私は、プライバシーポリシーを理解し、「送信」ボタンをクリックすることで、お問い合わせフォームに入力した自らのデータの使用および電子的な保存に同意します。

本フォームを送信することにより、Kuraray Europe GmbHが記載された情報をマーケティング目的に使用することに同意したものとみなします。 なお、情報はクラレグループおよびそのサービスプロバイダに共有されます。 情報の使用方法についての詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。
* 必須事項