Yoshihiro Morishita

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森下義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

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日用品用途

樹脂は様々な日用品に使用されています。樹脂から作られた製品は、肌や食品に直接触れることが多く、衛生的でなければならないなど、求められる特性は非常に厳しいものとなっています。

クラレは、スチレン系ブロック共重合体を中心に、多くの法規に適合した熱可塑性エラストマー(TPE)を提供し、この分野を牽引しています。また、FDA適合グレードを含め、それぞれの製品特性に応じた様々なタイプの製品をお客様にお届けしています。TPEは、丈夫でありながら心地よいソフトな感触と快適な使用感を有します。クラレのTPEは、リサイクル可能で環境に優しく、ポリ塩化ビニル(PVC)の代替として使用できます。おもちゃや歯ブラシの柄、包装材など、日常的に使用される多くの日用品の素材となるTPEコンパウンドに使用されています。

クラレのスチレン系ブロック共重合体は、おむつやおもちゃなどの安全性が求められる日用品に適した柔軟性と弾性をもたらします。

特長と強み

  • 柔らかさと快適さ
  • 長寿命製品への適用
  • 優れた加工性
  • PVCに代わる素材
  • 一部FDA適合銘柄あり
  • フィルムに適した接着性と接着性

使用例

  • おむつ
  • おもちゃ
  • 食品包装材
  • パーソナルケア製品(特に柔らかな手触りが求められる部品)

日用品への適用例

日用品の製造にクラレのTPE素材を使用することで、製品の耐久性を向上させ、製品寿命を最適化できます。この製品群最大の特長は、おむつやおもちゃなどのソフトな手触りの実現と、クラレの素材ならではのグリップ力の向上です。ここでは、クラレ製素材の日用品での使用例の一部をご紹介します。

この他にも、クラレ製素材がどのような用途に使われているのか、ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください

おむつ

おむつは、樹脂にとって繊細さが求められる用途です。衛生面だけでなく、使用感も考慮して設計されます。最も重要なのは、快適さ、柔らかさ、安定したホールド感を確保しながら、圧迫感や肌への刺激がないことです。

衛生面と快適さは、パーソナルケア製品において最も重要な要素です。クラレ独自のポリマー構造により、パーソナルケア製品に欠かせない柔軟性と弾力性を容易に実現することができます。活用例として、使い捨ての衛生材料、大人用おむつ、ウェットシートなど、快適性と特性が極めて重要な製品が挙げられます。

クラレの〈セプトン®〉 4000-シリーズ(SEEPS)は、紙おむつのウエストバンドなどの熱可塑性素材に高機能な伸縮性を持たせるために開発されています。ゴムのように柔軟で伸縮性の優れる特性で子供を優しく包みこみます。これらの特性はさらに軽量化や原材料削減などのダウンゲージングが可能です。他の熱可塑性エラストマーと比較して、機械的特性を維持しながらも原材料の節約が可能です。

快適さと衛生面を備えたクラレの〈セプトン〉 4000-シリーズ(SEEPS)。

おもちゃ

子どものおもちゃ箱には、フィギュアや車など、さまざまな種類のおもちゃが入っているものです。乳幼児向けには特別な配慮が欠かせません。おもちゃの製造に使用される素材には、非常に高い安全性が求められます。また、サステナビリティが今までになく重要な社会課題になっており、「リサイクル性」も製品の大事な要素の一つです。

その他にも、透明性や着色のしやすさ、柔らかさなど、様々な条件を満たすことが求められます。極性プラスチックとの二色成形の容易さや、屋外用のおもちゃでは、耐候性も重要な特性となります。

これらを踏まえて、TPE素材は慎重に選択することが求められます。

クラレの熱可塑性エラストマーは、屋外用のおもちゃの柔らかさと安全性を確保します。

食品包装材

使用目的に応じ、TPE素材には様々な物性が求められます。蓋などの密閉用のTPEには、低移行性、良好な圧縮永久ひずみ、優れた弾性が求められます。さらに、TPEを用いて作られた製品は、滅菌可能でPVCフリーな製品として使用可能です。

フィルムは生産速度を向上させるために、加工しやすさが求められます。また、フィルムの特性を変えられるように、多層化できることも必要です。さらに、多くの用途において、軟質性、耐落下性、耐衝撃性の向上も求められます。

食品包装用の粘着フィルムには、自己粘着性と優れた接着性が求められますが、最も重要なのは、FDAの要求を満たしていることです。

クラレでは、フィルム押出工程でのドライブレンドに適したスチレン系ブロック共重合体〈セプトン〉〈ハイブラー®〉をご用意しています。この製品は、柔軟性と弾力性を示し、ポリオレフィンとの相容性に優れます。〈セプトン〉や〈ハイブラー〉を使用する主な利点は、汎用のポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、またはプラストマー樹脂には通常ないフィルム特性が得られることです。例えば、保持力と衝撃強度の向上、優れた接着性、粘着性、透明性などが挙げられます。また、フィルムの柔らかさや伸びも、求められる性能に合わせて調整することができます。

ブローフィルム、押出フィルムに使用されるPEやPPに、〈セプトン〉や〈ハイブラー〉を添加することで、伸縮特性や粘接着特性を向上させることができます。ポリオレフィン系エラストマー(POE)をベースとした従来の粘着付与マスターバッチと比較して、〈セプトン〉や〈ハイブラー〉は少ない添加量で性能を向上させることが可能です。また食品接触用途に適したFDA適合グレードもご用意しています。

〈クラリティ®〉ラインナップの中には、FDAやEUの食品接触要件を満たしているものもあります。食品包装材用のポリ乳酸(PLA)フィルムに〈クラリティ〉を添加することで、優れた透明性を維持しながら柔軟性を向上可能です。また、〈クラリティ〉はヒートシール性や金属蒸着性にも優れています。

使いやすく、加工しやすい─クラレのスチレン系ブロック共重合体、アクリル系ブロック共重合体は、食品包装業界における安全な製品づくりを支えています。

パーソナルケア製品の柔軟部材

柔らかさや触り心地の良さなどの特性は、パーソナルケア製品の重要な要素の一つです。クラレのTPE製品は、その独自の構造により、パーソナルケア製品における柔軟性と弾力性を容易に実現できます。例えば、柄の柔らかな歯ブラシやカミソリなど、快適さと性能が重要な製品に適用可能です。

〈セプトン〉は、クラレが開発したスチレン系熱可塑性エラストマーであり、スチレン系ハードブロックとジエン系ソフトブロックからなるブロック共重合体です。

様々なTPEコンパウンドに使用されており、柔らかな手触りのグリップなど多様な製品形態に適用可能です。

〈セプトン〉は非極性材料との相性が良く、オーバーモールディング、共押出し、ラミネーションなど多様なコンバーティングや生産工程に対応が可能であり、優れた加工性を有します。さらに 、耐久性、薄肉加工性、着色性に優れた TPEコンパウンドの配合設計に寄与します。

パーソナルケア製品における柔らかな手触りのコンパウンドは、優れた加工性を有し、快適性と衛生性を向上させます。

化粧品

樹脂を活用することで、幅広い製品特性を生み出し、条件に応じた独自の化粧品を開発することができます。〈セプトン〉は、化粧品に使用される油相に添加することで、粘度やチキソ性を調節し、皮膜形成性を付与することができます。

〈セプトン〉は、肌に優しく安全な化粧品の製造に適用可能です。

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