Yoshihiro Morishita

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森下義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

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コンパウンド用途

市場のグローバル化とジャストインタイム生産システムの普及に伴い、工業製品の開発現場で、今までにない課題が浮上しています。プラスチック業界では、より特徴的な製品を、より少量で、より短いサイクルで生産することが求められています。そのため、製品の要求に合わせて調整された樹脂コンパウンドの重要性が高まっています。クラレは、スペシャリティポリマーのリーディングカンパニーとして、お客様のより良いパートナーとなることを目指しています。

コンパウンドには、熱可塑性エラストマー(ThermoPlastic Elastomer, TPE)コンパウンド、ゴムコンパウンド、プラスチックコンパウンド等があります。クラレではTPEコンパウンド向けにスチレン系ブロック共重合体をご用意しています。スチレン系ブロック共重合体は、医療、自動車、パーソナルケア製品、スポーツ用品、靴、日用品、工業・建築分野で幅広く使用されています。

クラレのコンパウンド用製品は以下の通りです。

コンパウンドの原料に使用するTPEは、広い温度範囲でゴムのような弾性を示す一方、熱加工が可能です。また、可塑剤を含まない軟質コンパウンドとして使用できるため、リサイクル性や環境適合性に優れています。

ゴム・エラストマー業界、プラスチック業界では、様々なコンパウンド、様々な特性が求められています。

医療用途

クラレが提供する熱可塑性エラストマーは、優れた性能と高い安全性が求められる医療用コンパウンドに適しています。高い透明性、非アレルギー性、優れた加工性を特徴としており、医療用チューブ・フィルム、整形外科用ゲル、粘着剤、伸縮性不織布などの用途に適しています。

水添スチレン系ブロック共重合体を用いた医療用途向けのTPEコンパウンドは、安全性に懸念があるフタル酸系可塑剤を含まない、また、天然ゴムラテックスで懸念されるタンパク質アレルギーの懸念が無いなどの安全性に対してのメリットを有するとともに、シリコーンゴムよりも安価であるという特徴があります。また、医療用途向けのスチレン系エラストマーからなる製品は、様々な滅菌法に適用可能です。医療用スチレン系エラストマーコンパウンドはその優れた柔軟性からシール性が必要な部位にも適用が可能です。

クラレの水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、安全な医療用エラストマー部材の製造に貢献します。

自動車用途

自動車業界の課題は、排出ガス・騒音の低減、性能・安全性の向上、軽量化、車内VOC(揮発性有機化合物)低減、快適性の向上、低価格化など、常に変化しています。クラレは高機能素材を用いて、それぞれのお客様の条件に適したソリューションをお届けします。

クラレのスチレン系ブロック共重合体、アクリル系ブロック共重合体は、自動車業界の様々な部品に使用されています。クラレの熱可塑性エラストマーや液状ゴムは、タイヤ、内装部品(ソフトパーツ、ダッシュボードやインストルメントパネルなどの射出成形品)、外装部品(サイドミラーカバー、ルーフレール、スポイラーなど)、エンジン周り(ホース、ノズル、ゴム製ライニング、コネクタなど)などに利用できます。クラレの各種製品は、機能性、軽量、耐久性、耐摩耗性などの特性により、安全で快適なドライブや排出ガス削減、さらには、サステナビリティの実現に貢献しています。

TPEコンパウンドは、安全性向上、軽量化、デザイン性など、現在の自動車業界の課題解決を後押ししています。

パーソナルケア製品

衛生面と快適さは、パーソナルケア製品において最も重要な要素です。クラレ独自のポリマー構造により、パーソナルケア製品に欠かせない柔軟性と弾力性を容易に実現することができます。活用例として、使い捨ての衛生材料、大人用おむつ、ウェットシートなど、快適性と特性が極めて重要な製品が挙げられます。

クラレの製品は、標準的なTPEコンパウンド設備で使用でき、追加の乾燥工程が必要のない製品もございます。また、非極性材料と極性材料の両方に対応可能な材料ラインナップを有するため、設計の自由度が高いのも特長です。オーバーモールディング、共押出、ラミネーションなどのコンバーティングなど、様々な加工方法を適用可能です。

パーソナルケア製品には、衛生性と快適性が求められます。柔らかな手触りのコンパウンドは、この2つの要素を兼ね備え、加工性にも優れています。

スポーツ用品・靴用途

クラレの熱可塑性スチレン系ブロック共重合体や液状ゴムをベースにしたコンパウンドは、より効率的、快適で、サステナブルな材料として活用でき、スポーツ用品や靴の製品設計時に消費者ニーズに応える選択肢を拡げるという大きなメリットをもたらします。

スポーツ用品や靴のコンパウンドには、雨天時でも良好なグリップ性能が求められます。

日用品用途

TPEコンパウンド用の熱可塑性高機能エラストマーは、高い柔軟性と弾性をあわせ持ちます。スチレン系ブロック共重合体をベースにした日用品用コンパウンドは、従来の素材に比べて軽量で、優れた機械的特性を誇ります。

TPEコンパウンドは、おむつやおもちゃなどの高い安全性が求められる日用品において、優れた柔軟性と弾力性を確保します。

工業・建築用途

現代建築は伝統を踏襲する一方で、社会の変容、需要の変化、現代ライフスタイルの発展に寄り添うように新たなコンセプトを生み出しています。「装飾美」、「柔軟性」、「エネルギー効率」は、現代の建築や生活様式を語る上で重要なキーワードです。クラレは、現代社会の建築トレンドに対応したTPEコンパウンド原料を取り揃えています。

クラレの工業・建築用製品は、新たなコンセプトの創出・実現に寄与します。

工業・建築業界では安全性と持続可能性の向上というニーズを満たせる革新的なソリューションが求められています。

熱可塑性エラストマーコンパウンド

クラレは、TPEコンパウンド向けスチレン系ブロック共重合体のリーディングカンパニーです。様々なニーズを抱える同用途に対し、高機能で多様な製品群を揃え、お応えしています。

TPEは丈夫でありながら、柔らかな手触りと優れた使用感を誇ります。多くの産業分野において、プラスチックとの親和性を向上させるのにも活用可能です。クラレのTPEは、有害な可塑剤を必要とせず、PVCを含まない、リサイクル可能な環境に優しい素材です。

クラレはスチレン系ブロック共重合体を基軸とするTPE開発で長い歴史と技術を誇ります。長年培われた知見と実績を有するクラレだからこそ提供できる充実した製品群は、お客様の様々なご要望にお応えすることができ、高いご評価を頂戴しております。

ポリマー設計技術とお客様の用途に必要な技術を駆使し、お客様のニーズにお応えします。

ゴムのコンパウンディング

ゴムを様々な材料と配合することで、狙った機械的・化学的特性の製品を生み出すことができます。

特定の材料を配合することで様々な特性が得られます。例えば、材料の弾性や強度を高める分解抑制剤や架橋剤といった添加剤などが挙げられます。加硫のように、長鎖分子や粘性を有する材料を化学的に結合して弾性を有する材料を形成するために、様々な材料が配合されます。

エラストマーの耐久性、均一性などの特性は、その品質と使用するコンパウンド技術によります。必要な物性改良を実現するためには、原材料とコンパウンドに対する深い理解が必要です。多くの場合、狙いの特性を達成し、円滑な加工のために、複数の成分を配合します。また加工工程は、原材料の取り扱いと混合、成形、加硫に大別されます。

ゴムコンパウンドは、生ゴムをベースにした製品の機械的・化学的特性実現を支えます。

原材料の取り扱い

原材料の保管、管理、計量、混合、配送において重要な点としては、温度や湿度の管理のほか、自動ハンドリングや計量、危険物の取り扱い、計量精度(少量の場合も含む)、均一な混合などが挙げられます。特に注意しなければならないのは、エラストマーで広く使用されている粉体形状の化学物質の取り扱いです。分散しにくく、静電的に帯電する可能性があるため、しばしば困難を伴います。

混合

ここでの目的は、添加剤をゴムと均一に混合し、充填剤やその他の配合材料を素早く配合することです。時間、温度、エネルギーを最適化したプロセスにより、後続の生産段階でのスムーズな処理を可能にする粘度に調整します。そのためには、すべての配合材料が適切に分散される必要があります。また、その後の工程での問題を防ぐために、コンパウンドの粘着性にも注意を払う必要があります。

成形

成形には、製造する部品に応じて、押出成形、カレンダー成形、切断・接着などが使用されます。流動性、接着性、離型性、収縮性、伸長性などが重要視されますが、その他にもいくつかの物性を考慮する必要があります。

コンパウンドの良好な流動特性は、成形プロセスにおいて重要になります。コンパウンド物性は、カレンダー加工や押出加工が容易になるよう、均一である必要があります。カレンダー加工時の品質基準は、滑らかさ、均一な収縮率、気泡がないことが挙げられます。

加硫

加硫の方法には一般的に、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、連続加硫があります。性能面では、流動性、成分の硬化状態、硬化剤の移行・分散、離型性などが考慮されます。

加硫の工程では、十分な接着力を得るためにゴムの良好な流動性が必要になります。金型に素早く、均一に、気泡なく充填できることが必要です。また、多成分材料であれば、コンパウンドと金属との間の優れた接着力を確保することが求められます。加えて、金型から簡単に取り外すことができ、金型を汚さないことも重要です。

樹脂改質

一般的に樹脂を改質することで、物理的、化学的性質を変えることができ、新しい特性を付与したり、既存の特性を改善、向上することができます。

樹脂改質技術を活用すると、新規樹脂改質に関わる時間とコストを低減しながら、必要とされる特性を得ることができます。特定の用途で要求される特性に合わせて調整するために有用な方法です。樹脂は、金属やセラミックなど他の素材と比較して、改質手法を広く適用しています。

この工程では、他の材料や添加剤をベースとなる樹脂に配合することで、目的に応じた方法で改質します。さらに、例えば樹脂に要求される性能を満たすために、安定剤や難燃剤などの添加剤を配合する必要があります。また、強度のなさという欠点を打ち消し、樹脂の加工を容易にするためにも、適切な添加剤を利用します。これらの添加剤の量と種類に応じて、1つの樹脂から様々な体積や特性を持つ多種多様な樹脂を生成することができます。例えば、タイヤ、輪ゴム、靴底などに利用できる天然ゴムや、硬さの異なる数多くの製品に応用できるPVCといった具合です。

樹脂は物理的、化学的に改質することができます。例えば、硬質PVCに可塑剤を配合して軟化させたり、化学修飾によって天然ゴムから極性の高いエポキシ化天然ゴムを抽出したりすることが可能です。

樹脂は加熱、冷却、延伸などによって物理的に変性させることができます。また、添加物の追加や他の素材との混合も行われます。代表的なのは、架橋、共重合などです。

クラレの熱可塑性エラストマーは、改質剤として使用することで、材料特性を向上させることができます。

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