Yoshihiro Morishita

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森下義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

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〈ハイブラー®〉

〈ハイブラー〉は、ポリスチレンのハードブロックと、ビニル-ポリジエンのソフトブロックで構成される、ユニークなトリブロック共重合体です。室温領域にガラス転移温度(Tg)あるいはtanδの吸収がある銘柄は、室温領域において高い制振性能を発揮します。

軟質塩ビとは異なり、〈ハイブラー〉とポリプロピレンから製造された製品は可塑剤を使用していないため、サプライチェーン全体の環境負荷を低減することができます。柔軟性に富むスチレン系ブロック共重合体である〈ハイブラー〉は、フィルム、チューブ、射出成形など、さまざまな形態に加工可能です。

〈ハイブラー〉には、水添系銘柄と、未水添系銘柄があります。〈ハイブラー〉の水添系銘柄は、ポリプロピレンとの相容性に優れているため、透明性に優れた柔軟なコンパウンドを与えます。

〈ハイブラー〉

目次

特徴

  • 広い温度範囲で優れた制振性を発揮
  • ポリオレフィンやポリスチレンとの良好な親和性
  • 良好な成形性
  • 加硫ゴムのような架橋が可能
  • ゴムと同じような弾力性
  • 優れた耐熱性と耐候性(水添系銘柄)
  • 軟質塩ビの代替として使用可能
  • 可塑剤を含まない軟質コンパウンドとして使用可能

強み

  • 制振特性による振動低減、衝撃吸収、耐衝撃性、伝搬音低減
  • 水添系銘柄(7000-シリーズ)は、ポリプロピレンとの配合において優れた透明性を発揮
  • 優れた耐候性と耐熱性 (水添系銘柄)
  • 毒性なし
  • 軟質塩ビとは異なり可塑剤を含まないため環境にやさしい
  • 〈ハイブラー〉で作られた医療用フィルムやチューブは、軟質塩ビとは異なり可塑剤を含まないため製造時や廃棄時の環境負荷が少ない
  • 医療用容器・チューブ、スポーツ用品、自動車部品、音響部品、床材などに適する

使用例

  • コーティング剤
  • コンパウンド
  • 建築建材部品
  • 医療用容器(フィルム、ボトル)
  • チューブ
  • 自動車用部品
  • スポーツ用品、靴用部材
  • 3Dプリンティング用材料

〈ハイブラー〉の銘柄構成

〈ハイブラー〉には、耐久性のある水添系銘柄(〈ハイブラー〉7000-シリーズ)と未水添系銘柄(〈ハイブラー〉5000-シリーズ)があります。水添系銘柄は、ポリプロピレンとの優れた相容性を有し、透明性、柔軟性を向上することができます。水添系銘柄とポリプロピレンのコンパウンドを用いて製造される柔軟なフィルムは、有害な可塑剤を使用していないため、軟質塩ビよりも環境に優しいのが特徴です。

〈ハイブラー〉は、広い温度範囲で高い制振性能を発揮します。その高い制振性により、〈ハイブラー〉はスポーツ用品や靴の衝撃吸収材や、防音性に優れる発泡シーラントに適用できます。その他の用途としては、電子部品、医療用フィルムやチューブ、接着剤、コーティング剤、耳栓、自動車用部品、建築建材部品などがあります。

〈ハイブラー〉の各銘柄は、分子量としては中分子量です。ポリプロピレンとの優れた相容性を活かして、水添系銘柄が医療用によく使われています。

〈セプトン〉、〈ハイブラー〉の銘柄構成図

水添系銘柄

水添系銘柄である〈ハイブラー〉 7000-シリーズ (ビニルSEPS、ビニルSEEPS)は、耐熱性と耐候性に優れます。〈ハイブラー〉の水添系銘柄は、ポリプロピレンとの相容性が良く、これらのブレンド物は透明性に優れ、適度な柔軟性を有する材料になります。軟質塩ビと異なり、可塑剤を含まない環境に優しい柔軟材料として、フィルム、シート、押出成形品(チューブ、ケーブル)、射出成形品などに使用されています。

〈ハイブラー〉の水添系銘柄(〈ハイブラー〉 7125Fおよび〈ハイブラー〉 7311F)は、ポリプロピレンとの優れた相容性を示します。軟質塩ビとは異なり、可塑剤を使用せずに良好な柔軟性と機械的特性を確保でき、環境に優しい材料です。

〈ハイブラー〉 7311Fは、〈ハイブラー〉 7125Fよりもスチレン含有量が少なく、ガラス転移温度(Tg)が低いのが特徴です。その結果、ポリプロピレン/7311Fブレンドは、ポリプロピレン/7125Fブレンドよりも室温での柔軟性が高く、低温での衝撃特性に優れています。

〈ハイブラー〉の水添系銘柄は、ポリプロピレンとの相容性が良く、これらのブレンド物は透明性に優れ、適度な柔軟性を有する材料になります。

水添系銘柄 :〈ハイブラー〉7125F
水添系銘柄 :〈ハイブラー〉7311F
銘柄タイプスチレン含有量
(wt%)
Tg
(°C)
MFR溶液粘度(トルエン溶液30℃)形状硬度(TypeA)
190 °C, 2.16 kg
(g/10min)
230°C, 2.16 kg
(g/10min)
15wt%
(mPa·s)
20wt%
(mPa·s)
30wt%
(mPa·s)
7125FビニルSEPS20-150.7460350Pellet64
7311FビニルSEEPS12-320.5295240Pellet41

未水添系銘柄

〈ハイブラー〉 5000-シリーズは、ビニル-イソプレン構造がリッチなソフトブロックから成るスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)共重合体です。 このビニル-イソプレン構造の含有量はガラス転移温度(Tg)に影響を与えます。室温付近にガラス転移温度がある〈ハイブラー〉は、質温度領域において高い制振性能が必要な用途に適しています。〈ハイブラー〉 5125および〈ハイブラー〉 5127は、異なる温度範囲で高い制振性能を示します。反応のために二重結合が必要とされる用途には、〈ハイブラー〉 5000-シリーズが適しています。

〈ハイブラー〉 5000-シリーズは、この制振性能を活かして、制振発泡シーラントやスポーツ用品、靴などに使用されています。その他の用途としては、電子部品、建築建材部品、家電製品、自動車部品、接着剤、コーティング剤などが挙げられます。

未水添銘柄:〈ハイブラー〉5000-シリーズ
銘柄タイプスチレン含有量
(wt%)
Tg
(°C)
MFR溶液粘度(トルエン溶液30℃)形状硬度(TypeA)
190 °C, 2.16 kg
(g/10min)
230°C, 2.16 kg
(g/10min)
15wt%
(mPa·s)
20wt%
(mPa·s)
30wt%
(mPa·s)
5125ビニルSIS20-133100650ペレット60
5127ビニルSIS208385540ペレット84

製品カタログ

〈セプトン〉
〈ハイブラー〉

Technical insights

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